2017年10月21日土曜日

千年の甍ー古代瓦を葺く③

現在、神戸市の「竹中大工道具館」で開催中の企画展「千年の甍ー古代瓦を葺く」

今回が最終回。



入口を入ると、先ず目に飛び込んでくるのが、様々な紋様の軒巴と平唐草の数々。

すでに、この時点からテンションマックスでした(^-^)

各時代の復元された鬼瓦も展示され、


飛鳥時代


奈良時代


鎌倉時代


室町時代

年代を追うごとに、立体的になっているのが良く分かります。

特別展示として、外では姫路城大天守の鯱(シャチ)が鎮座しています。




平成の大修理(2009年10月~2015年3月)の際に製作されたものの一つで、高さ190㎝、重さ280~300㎏もあり、巨大すぎて窯の中に納まらず、胴部分は上下に二分割、鰭(ひれ)も個別にし、全部で4基つくられました。

製作を指導した瓦大工・山本清一氏は愛情をこめて4基それぞれに名前を付けています。

播州一郎、次郎、三郎、四郎

一郎と次郎は姫路城大天守の大棟に据えられ、三郎は姫路城に寄付。ここで展示されているのは四郎です。

流石巨匠、茶目っ気たっぷりですね。


2017年10月20日金曜日

千年の甍ー古代瓦を葺く②

現在、神戸市の「竹中大工道具館」で開催中の企画展「千年の甍ー古代瓦を葺く」

今日はpart2です。






古代瓦を製作する工程、道具を、パネル、映像、実物で分かりやすく展示しています。




また、昔と現代の施工方法の違いも実際の屋根に葺き、これもまた分かりやすく展示されています。

ここでびっくり! 釘が貴重だったため、割板(野地板)は藁縄で縛って垂木に固定されていたそうです。

ここでお知らせ。

山本清一氏(山本瓦工業株式会社)、鈴木嘉吉氏(元奈良文化財研究所所長)を講師に迎え、「職人と語る瓦屋根のはなし」と題し、下記の日に、講演会があります。

当日先着200名(無料、申し込み不要)なので、ご興味のある方は是非!

日時:平成29年11月5日(日) 14:00~16:30(13:00会場)
会場:ラッセルホール大会場
   神戸市中央区中山手通4-10-8 TEL078-291-1117
     ↓  ↓  ↓

2017年10月19日木曜日

千年の甍ー古代瓦を葺くー①

現在、神戸市の「竹中大工道具館」で開催中の企画展「千年の甍ー古代瓦を葺くー」

何カ月も前から開催を待ちわびており、昨日早速見学に行ってきました。

先ずは感想から。

瓦に携わっているものとして、感動の連続!

12月3日(日)まで開催していますので、瓦に興味のある方も、そうでない方も、是非見学されることをお勧めします。


場所は新神戸駅のすぐ近く。入口から都会の喧騒から離れ、木々に覆われた落ち着いた雰囲気。

受付の目の前のホールで企画展が開催されています。


「土を練って焼き上げる瓦。丈夫なものであれば、千年も屋根に使うことができます。
本展ではそうした長寿命の古代瓦にスポットをあて、瓦のつくり方や葺き方について、建築という切り口から瓦を読み解いていきます。
また瓦の歴史をはじめ、原料となる土、制作道具、葺く工程や葺き方の模型などを映像とともに解説します。
普段屋根の上にあってなかなかみることのない迫力ある鴟尾や造形豊かな鬼瓦も目の高さでご覧いただけます。
瓦に込められた職人の心意気をぜひ会場にてご覧ください。」
※竹中大工道具館NEWS37号から抜粋



元興寺極楽堂と禅室に使用されている瓦も展示されています。

これは日本最古、何と1400年前、飛鳥時代の瓦です。


唐招提寺金堂に使用されている鴟尾(実物大)

これは平成の大修理(1998~2009年)の際、2003年に復元した物の実物大で、高さ119㎝、重さは約200㎏もあります。

また、地下二階では映像作品として「千年の甍ー古代瓦をつくる」「唐招提寺金堂~天平の技に挑んだ男たち」「大佛殿修理7年の記録」(いずれも仮称、各20~25分)が上映されています。

ちょっと足早に見学したので、開催期間中ゆっくりと来訪したいと思います。

余談ですが、見学中来場者の方から「関係者の方ですか???」と声を掛けられ、「瓦業界のものですが、関係者ではありません。」と言うと、何と!!!巨匠山本清一氏に似ていますね?って言われました(^-^)


2017年10月11日水曜日

引き渡し間近

8月に施工させていただいた平板瓦の物件ですが、足場が外れ引き渡し間近となっています。


下屋もなく、南面には太陽光発電システム搭載なので、残念ながら瓦はほとんど見えません。


玄関側からだと、辛うじて端部の袖瓦が見える程度です。

特に都市部では3階建も多く、屋根は下から見えないから、「安くて、軽い屋根材で!」が主流な昨今ですが、、、

しかし!見えないからこそ粘土瓦をお勧めする理由があります。

①耐久性(長持ち)
 
他の屋根材のように塗装の塗り替えなどのメンテナンスが必要なく、普段見えない箇所だからこそ、長持ちする屋根材を!

②快適性

近年の尋常ではない夏の暑さとゲリラ豪雨。粘土瓦は瓦と野地板に隙間(通気口)ができるので、夏の熱気、冬の冷気を屋内に伝えにくく、また遮音性にも優れていますので、屋根を打つ激しい雨音も気になりません。

③台風、地震対策

瓦自体にフック(ハイパーアーム)が付いた「防災瓦」と、全国に普及してきた「瓦屋根標準設計ガイドライン」という施工方法で、試験場で行なった耐風圧性能試験にも合格していますので、台風時にも安心できる屋根材です。また、阪神淡路大震災の震度7クラスの地震でも瓦が脱落しないことが証明されています。

④ランニングコスト

粘土瓦は初期コストは高いですが、焼き物なので塗装の塗り替え工事が必要なく、30年間のシュミレーションでは、結果的に他の屋根材に比べ3~4割程度済み、結果的にとてもリーズナブル!
※屋根面積100㎡でのシュミレーション
 粘土瓦(平板)
 初期コスト 800,000円 → トータルコスト 800,000円

 化粧スレート、金属屋根材
 初期コスト 500,000円 → トータルコスト 約3,100,000円
 ※10年ごとの塗り替えと30年目の葺き替えでの試算

いかがでしょうか???

完璧な屋根材はなく、それぞれ一長一短あります。

まずは、新築、リフォームご検討の際、瓦もお願い申し上げます。

ご検討の結果、他の屋根材を選ばれるのは仕方ありません。

昨今、粘土瓦は屋根材を選ぶ際のテーブルにすら乗っていない状況ですので。


2017年10月4日水曜日

雨漏り修理

今日は雨漏り修理のお話です。


何度か雨漏り修理で訪問している邸宅。

大屋根の雨漏りがひどかったので修理を行い、先日の台風でも雨漏りはなく、ほっと一安心。

今回は、下屋から少量ですが雨漏りをしているとのことで、本日修理に伺いました。


丸瓦を外してみると、本来あるべき葺き土が経年変化で洗い流され、隙間があるところが多数見受けられました。

原因は???

大屋根に「樋」がなく、大屋根に降った雨が下屋に落ちていることが原因と思われます。


そこで、南蛮漆喰を塗り、丸瓦を葺き直しました。

これで当分は大丈夫!

何度もお伝えしていますが、このような部分的はメンテナンスを行える屋根材は「瓦」に勝るものはありません。

何と言ってもこの邸宅は築130年以上ですから!!!!

2017年9月30日土曜日

「かわらや」さんでランチ

今日は遠方よりお得意先様が淡路島に来られたので、ランチは瓦関係者では絶対外せない「かわらや」さんへ。




生産量が日本一の豚と猪を掛け合わせた「淡路産いのぶた」と、地場産業の「いぶし瓦」とのコラボレーション。

野菜もほぼ淡路産で、何と言ってもブランド化している玉ねぎの甘さは特筆もの。


炭火でじっくり焼くことにより、瓦が余分な脂分を吸収し、とてもあっさりといただけます。

「かわら焼き」初体験のお得意先の社長も、「かわらや」のフランチャイズ店をやりたい!と思うほどの大絶賛!!!

美味しいお肉なのにビールを飲めなかったには残念ですが、こちらの淡路産のお米も隠れた逸品なので、ご飯が進む君でした(笑)



彼岸が過ぎて涼しくなってきた淡路島。

入口付近にバーベキューコーナーがお目見え!

夜風に吹かれながらの「かわら焼き」もきっと最高!

開店約10年。益々進化する「かわらや」さん。要チェックですよ~~~~。

2017年9月29日金曜日

青緑(せいろく)瓦

お得意先様からSOS

陶器瓦の青緑(せいろく)瓦の修理依頼。


瓦が今にも落ちそう!とても危険な状態なので、早急に手直ししました。

この青緑瓦は、昭和40年代に一世を風靡した陶器瓦。

約50年前の瓦が、現在でもとても発色が良く、瓦もまだまだ現役です。


しかし、当時の施工方法は現在とは違い「土葺き工法」なので、地震、経年変化等で「瓦のズレ」が生じています。

そこで、外周部の軒、袖にパッキン付ビスにて留め付け、これ以上ズレないようにしました。


下屋だけの修理依頼だったのですが、二階の屋根を見ると「のし瓦」も数枚落下。

これも緊急に補修しなければ危険な状況でしたので、追加工事となりました。


しかし! 淡路島でも屈指の住宅が建て込んでいる地域。

軒先側からハシゴを掛けられないので、苦肉の棟瓦掛け。

とても一人じゃ上がれません。

しかし、この現場は軽トラしか入らない狭小地。昔の人は偉大です。

何回もお伝えしていますが、和形、本葺き瓦だと50年以上前の瓦が、今でも修理OK!

最小限のご予算で、メンテナンスが出来るのが瓦の良さの一つなのです。

新築時、新しい屋根材、初期コストが安い屋根材が主流な昨今ですが、長期間にわたり風雨にさらされる屋根。

長年の実績に裏付けされた耐久性、初期コストは割高ですが、ランニングコストの安さ。

これは瓦に勝る屋根材はないのですよ。