2016年3月29日火曜日

南あわじ市役所 開庁から間もなく1年④

南あわじ市役所 開庁一周年記念シリーズの最終回は【瓦スクリーン編】です。


【全景】

見せ場は色々ありましたが、一番斬新なデザインをしていただいた【瓦スクリーン】


市松模様状に瓦を配置することにより、目隠し、日よけの効果が抜群です。


何と、南面の太陽光パネルも瓦スクリーン状に!


モックアップ(試作品)、引き抜き検査等、大変なことの連続でしたが、何と言ってもこの【瓦スクリーン】の製造は大変で、製造元の野水瓦産業株式会社様のご協力がなければ成り立ちませんでした。

嬉しいことに、南あわじ市新庁舎は昨年のグッドデザイン賞を受賞。
以下、受賞対象の詳細(創意工夫)より抜粋

全体で36,000枚の淡路瓦を使用。瓦は伝統的な素材でありながら、極めて合理的かつ経済的な工業製品である。
清掃不要であること、破損部のみ取り替え可能なことから高いメンテナンス性を有する。
地元瓦工場と連携し、最も汎用的な「桟瓦」を利用して、日よけ、目隠しのための瓦スクリーンを開発。
瓦工場の高い技術と経験を活かし、新たに建材利用への可能性を示した。
また、瓦の製造過程の中で発生する産業廃棄物となる瓦の端材を環境素材として再利用。
瓦の高い保水性(一般砕石骨材の約三倍の吸水率)を活かし、外構舗装材の骨材に利用することで、夏季には、雨や打ち水による外気冷却効果を得て、室内に涼やかな風を取り入れる。

また、審査委員の評価より抜粋

淡路島をまわると、瓦の使用が印象的だが、地域特有の材料を積極的に取り組むことで、画一化しやすい市役所に個性を与えている。
もっとも傾斜した屋根に「淡路瓦」をのせるのではなく、地元の工場と協同しながら「スクリーン」や「ウォール」など、通常とは異なる垂直面に新しい方法で使うことで、材料の可能性を引き出す。
また瓦は環境性能の向上にも寄与している。
防災機能と開放的な空間も特徴的だが、いわば瓦のショーケースのような役割を果たす市役所だ!

以上のような非常に高い評価をいただき、携わった者として、数々の苦労も吹っ飛び、この上なく嬉しく思います。

南あわじ市新庁舎のように、各地の特色を活かした市役所などの公共物件が増えればいいですね。

0 件のコメント:

コメントを投稿